私には息子だけしかいない

シングルマザー

3歳の一人息子を連れて家を飛び出した私は、これからどうやって生きていこうかと考えた。

シングルマザーという言葉がまだなかった時代に誰にも理解してもらえず、母子手当だけはもらわずに頑張って仕事をして子供を養っていきたいと奮闘の日々。

仕事で家を長時間空けるために息子を一人にはできず、12歳まで子供を施設へ入所させ必死に働いた。

子供が何を感じているのかも考える暇もなく、毎日毎日働いた。息子も成長し、私の家で暮らせることを諦めたのか、施設で暮らしていくと言い出した。私は焦り、すぐに引き取って一緒に暮らすことになった息子はもう12歳。

息子は中学生となり、思春期でぎこちなくも安心した生活が始まり、また毎日毎日働いた。一緒に暮らしてもほぼ家を空けるため、息子とはすれ違いの生活。息子は部活に入り、毎日を充実させていた。必要なものは買い揃えた。

学校生活だけでも困ることがないように考えたが、私と一緒にいない時間がありすぎて学校をさぼったり、学校に呼び出されることもあった。

それでも息子は間違った道に反れることなく、心優しく成長してくれた。私は息子に辛い時間を与えてしまった、父親の顔も知ることもなく親戚との付き合いも知らず孤独を感じさせてしまった。

しかし、これだけは言える。私は一生懸命働いて、息子とここまでやってこれたんだと。私は孤独、息子も孤独。しかし2人いれば寂しくなんかない。

息子は成人して家庭を持った。3人の子供にも恵まれた。子どもはすくすくと成長している。

家族というぬくもりを必死で守っているようだ。息子が幸せそうで、私は頑張ってきてよかったと思う。

私はこれからどうやって第二の人生を生きていこうか。孫の顔を見ながら昔を思い出し、私が息子にできなかったことを孫に色々やってあげたい。私のエゴかもしれないが。